君に向けて手をのばす


ぎりぎり君にふれられない
すぐ近くの
けれどほんの少しだけ遠い場所から



僕の心は君の心を
僕の口は君の名を呼ぶ
ふれられない手は輪郭をなぞる



いつのまに僕たちは
ここに立っていたのかな


すれ違うでもなく
手を取り合うこともなく
見つめあったまま ただ



君にふれないでいることが
君の近くにいるための



僕の瞳は君の瞳を
僕の心は君の名を呼ぶ
ふれられない想いは
ためらいながら輪郭をなぞる